みんなのうるてぃまおんらいん

ウルティマオンライン、瑞穂シャードで遊んでいる日記です。

小説

(飛鳥) 賞をいただくことの重み

首都ブリテイン東の街はずれにあるイベントホール、この場所に来るのは何度目だろう。
先日の肖像画コンテスト授賞式の他に、首長さんたちの話し合いとか披露宴とかでも訪れていたからもう慣れた場所って感じ。
のはずだったんだけど、今日ばかりはちょっとそう言う気楽な気分にはなれませんでした。

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だって、この日の集まりはヴェスパー首長主催による 飛鳥文学賞 の授賞式なんです。
そしてその式には受賞者としての参列なんですから緊張しないはずがありません><
応募作品はすべて拝読させていただいたんだけど、どれも素晴らしいものばかり。
そんななかであたしの拙い小説がまさか賞をいただくことになるなんて想像してなかったの。

ドキドキは止まらないし手は震えちゃうし、壇上へ上がることを躊躇していたんだけど一緒にあたふたしてたにぼしちゃんがとうとう壇上へ!
こうなったらあたしもあの場所へ行くしかないのか・・・って思いつつためらってた。
そしたらバーチンさんが 「胸張っていってきなー」 って背中を押してくれたの。
あたしは古代竜に後ろからつっつかれたみたいにびっくりしたけど、おかげでようやく壇上へ向けて一歩踏み出すことができたよ。

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次々に呼ばれて一人づつ挨拶をする受賞者の皆さまはとっても輝いて見えたなぁ。
だって、あたしは応募者ではあるけど読者の一人でもあるわけで、そのなかには心打たれた作品もたくさんあったよ。
その中でも特に気に入った作品を書かれた作者さまとこうして並んで座っているのは緊張するけどとても光栄でした。

そしていよいよあたしの番が来てしまった。
気の利いたこと喋ろうといろいろ考えてたんだけど、途中で頭が真っ白になってしまって尻切れになっちゃったね。。。
頂いたのはYew首長賞ということで、きっと在りし日のドーンとシェリーを題材にしたことが良かったのかな。
なんといってもドーンの出身地はYewだし、いまも旦那さまのオルスとともに大滝の近くで眠っていますからね。

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壇上に座っていたのは事前に発表されていた受賞者だったんだけど、そのあと本命とも言える読者賞の発表があったよ。
この読者賞にはお友達が三人も選出されて、なんだか自分のことのように嬉しかったな。
本音を言うとあたしも欲しかったけどね!

最後は、残念ながらこの場に来られなかったLibraryCafeのLatourさんにも感謝しつつのにぎやかな閉幕だったなぁ。
あたしがこのブリタニアで物書きをするきっかけをくださったラーさんにはホント感謝です。

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会が終わった後にはこれこそ本命とも言える感想を受け取ったよ。
まさにお楽しみ中のお楽しみ、読者からの感想なんだけど、実はどれくらいいただけてるのか不安でたまらなかった・・・・
けどね!そんな心配は杞憂だったみたい!
こんなにたくさんの感想がいただけてあたしは感動で涙が出てしまったよ。

もちろんすぐに読ませていただいて一つ一つから喜びをいただき、その責任の重さを感じたの。
だってあたしは自分が思うがままに書いただけなのに、それを読んでくれた方がいて評してくれた方もいる。
それだけでも出来すぎなくらいうれしい出来事なのに感想まで頂いちゃうなんてね。

もちろんあたしも感想は書いたけど、書くのが好きだから苦になるわけじゃない。
でも感想くださった方全員が今回の文学賞へ応募したわけじゃなく、あくまでいち読者として寄せてくださったわけ。
それはもう嬉しいなんて言葉で言い表すには足りないなって感じるんだよね。
感想一つ一つはあたしにとって大切な思い出になると同時に今後の創作の糧になる。
そうしていかないといけないっていうと大げさだけど、少なくとも期待をしているということを作者へ示すものの一つが感想なんじゃないかな。
だから寄せてくれた方々からの気持ちに 「重み」 を感じるの。

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せっかくなので頂いた感想の一部をご紹介しますね。
見開きでお名前が入ってしまう物を外しただけで全ての感想は全て同じだけ感謝してますよー 
こちらはこの感想の方が立派な文なんじゃないかなって思うくらいしっかりしてました。
他にも丁寧に書いてくれているもの、ここが良かったって言ってくれてるものも多かったなぁ。

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こっちはちょっと変わり種?
多分褒めてくれてるんだと受け取りましたー

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頂いた感想や選評では続きを~みたいに仰ってくださった方も多くて嬉しい限り。
でもこのお話はこれ以上は書かない、書けないので・・・・残念ながらごめんなさい。
もしこの先もっともっと筆力がついて ~if の物語がハッピーに書ける自信がついたら書けるかもしれないかなぁ。
その時が来て書くことができたなら、また読んでくれると嬉しいな。

はあーそれにしても今日はとっても嬉しくて充実してて、身の引き締まる一日でした。
とってもいい刺激ももらえた気がするし、またの機会があってもなくてもまたなにか書こうと思いました。

おしまい。



********
あとがき

とまあ、こんな感じで飛鳥のNixieが文学賞で審査員賞をいただいてしまいました。
うれしくて飛び上がって喜んだけど緊張しちゃって大変でした。。。
また掲題にも掲げましたが、賞や感想をいただくことに対しての責任とその重みはしっかりといだきつづけていきたいと思います。

今後はUO本としてLibraryCafeに収蔵されるのかと思いますので、ご興味あればぜひお読みくださると幸いです。
他の作品も素晴らしいものが多かったんですが、そんななか審査員の心に響くものが書けたことは大変光栄でした。
Web版はこちらからお読みいただけます。



受賞作品すべてのあらすじ、選評が公開されておりますので、ぜひあわせてお読みくださいませ。
こちらはLibraryCafeのLatourさまによる紹介ページとなっております。



それでは今回はこれにて失礼します。
エンターティナーなすべてのブリタニア民たちに感謝!

(小説) place where the sun. - 陽の当たる場所 -

僕はとても暗い場所で産まれた。小さい頃はおひさまの存在も知らなかった。まあ今もまだ小さいままなんだけど。

 そんな小さな僕でも知っていることがある。
この国にはかつて王様がいたこと、そして今はいないこと。
それが原因なのかはわからないけど、今は混沌がこの国を、この世界を包んでいるらしいことを。

~~~~~~

「だからね、私はあなたがこの国を治めるべきだと言ってるの」

「シェリー、またその話?そう簡単にいうけど評議会が黙って許すはずないわ。それに私は戦いを好まない、オルスとのんびり暮らしたいのよ」

「でもすでにこの騒乱にどっぷり浸かっているじゃない?これは運命なのよ」

「だって仕方ないじゃない。確かに自分から首を突っ込んで巻き込まれたのかもしれない。でも私たちの平穏を取り戻すには世界が平穏である必要があるわ。それに・・・」

「それに?」

「私はやられたら同じくらい、いいえ、倍以上にはやり返さないと気が済まないたちなの」

「ええ、もちろん知ってるわ。だからこそ民衆のためにあなたが立ち上がるべきなのよ!」


 僕はなんだかとんでもない場面に出くわしてしまったようだ。
それは女性二人がする会話とは思えない、とても勇ましい内容だった。
この会話はいったい何を意味しているのだろう。

 初めて表の世界に出てきた緊張感のせいか、汗が流れ出てくるように感じる。
それに外は思いのほか暑い。
気がついたら、いや、気が付かないうちに意識はとっても遠いところまで行ってしまったようだ。


・・・・・・・・




・・・・・・



・・・・ねぇ


「・・・聞こえる?おチビさん」


 僕は、遠くで誰かの声が聞こえるような気がしてそちらを振り向きながら目を開いた。
そこは今まで見たことの無い明るい場所で、まっしろな何かに包まれているような眩しい空間だった。

「ああ良かった、あんな狭いところで倒れてしまっていたから心配したわ。呼吸も平常だし、どうやら問題ないみたいね」

「珍しいわね、あなたみたいな子がここへ迷い込んでくるなんて。シェリー?あなたが呼んだのかしら?」

「とんでもない!私も初めてお目にかかる子よ?どこから来たのかしら」

「じゃあただ単純に迷子なのかしら?随分とほおがすすけているわね。ということはあそこから?」

「どこから来たのかはおいおい聞くとして、それよりも私たちに出会ってしまったからにはそのまま帰すわけにはいかないわね・・・そうでしょ?ドーン」

「え?ああ、そうね、覚悟してもらおうかしら」

「僕は、僕は決して怪しいものではありません!誰にも言いませんから!命だけは・・・!」

 そんな僕の懇願に耳を貸す様子は全くなく、目の前のドーンという女性は僕の首根っこをおもむろに掴んで、文字通り部屋の外へとつまみ出しにかかった。

 今まで寝かせられていた部屋を出てどこへ行くのかと思ったら、またすぐ隣の部屋に入る。
いったい僕をどうすると言うのだろう。

「さあ、覚悟してもらうわよ?おとなしくしててちょうだいね」

「やめ・・・・やめて・・あぁ・・・・」

 頑張って抵抗しようとしたけど力比べでは到底かないそうにない。
逆らう気持ちを早々になくした僕は、ドーンの手によって水攻めにあうのだった。


「あら、随分と男前になったじゃないの。さっきまでのすすけた顔よりはずっとステキよ」

「ええ、シェリーの言う通りだわ。見違えたわよ」

「それはどうも・・・・身体を洗うなんて初めてだったからびっくりしてしまって・・・二人とも、ありがとう」

 たしかにきれいになった僕は今までとは明らかに違っていた。
色はぐっと白っぽくなったし、体から漂う匂いは "あの" どぶくささではなかった。
でもなんでこんなに優しくしてくれるんだろう。僕は思い切って聞いてみた。

「なんで・・・・僕なんかにやさしくしてくれるんですか?それにあなた達は・・・王様になるとかならないとか言ってたし、いったい何者なんです?」

「人にやさしくすることに理由はいらないわ。八徳であらわすなら慈悲の心ってところかしら。別に憐れんだり蔑んだりしているわけではないのだけど、気に障ったならごめんなさいね」

「いいえ、そんな!すごくうれしかったです。汚い僕に普通に接してくれる人がいるなんて思ってなかったし・・・」

「いいこと?きれいか汚いかは外見で決まるわけじゃないわ。心の中身で決まるものなのよ。私だって外見はごく普通のネズミだけど、心は誰よりも清らかで正義を胸に秘めているつもりよ」

「そうそう、あの憎きバーチューベインだって着ている物は煌びやかなんだしね。外見なんてその人を判断するためのほんの少しの材料にしか過ぎないわ」

 言っていることが難しくてよくわからないけど、ようは外見だけで判断はしていないってことか。

「でも僕の心の中、考え方がわかっているわけではありませんよね?」

「そうよ、良くそこに気が付いたわね。だからこれからその辺りをじっくり聞かせてもらおうと思っているというわけなのよ」

 ネズミのシェリーとなのった彼女?は、そういうと僕の方へにじり寄ってきたのだった。

~~~~~~

 二人に詰め寄られてもそうでなくても話す内容は同じだっただろう。
でもこんなかわいい女性とすぐ近くで話ができたのだから詰め寄られて良かった。
それにドーンが出してくれた焼き菓子は香ばしくて甘くて最高だった。

「じゃあただの冒険心、いえ、自分の置かれた環境を変えたいという向上心かしら。なんにせよあちらの密偵ではないということね」

「ドーン?そうやって初めて会った子の言うことをあっさり信じていたらいつかしっぺ返しを食うわよ?少しは疑わないとだめよ」

「ご心配なく、こんな澄んだ目をしているのに疑う必要はないわ。私は誰かを信じるべきかを考える時、まず自分を信じることにしているの。ねえ・・・えっと、あなたの名前聞いてなかったわ」

「僕ですか!?名前・・・・ずっと地下でこそこそ暮らしてたし、名前なんてありません」

「ずっと一人だったなんて、ああ、なんて悲しいことなのでしょう。でも今日は素晴らしい日ね。だって名前の無いあなたに友人がいっぺんに二人も出来た記念すべき日なのだから」

 ああシェリー、とても嬉しい言葉をありがとう。
それにこんな僕のことを友達だなんて・・・うれしくて涙がこぼれ落ちてしまう。

「あら泣いているの?悲しいことが起きているわけでもないのに涙がこぼれるとき、それは感動、歓喜の涙ということになるわね。感情豊かなことはとても素晴らしいことよ」

「うふふ、シェリーは相変わらず大げさよ。男の子はそう簡単に涙を見せる物じゃない、私はそう考えてしまうけどね」

 このドーンという女性、本当に女性なのだろうか。
筋肉の盛り上がり方や首や腕の太さがまるで屈強な戦士のように見える。
かといって本物の戦士なんてそう何度も見たことないけれど。

 それに引きかえシェリー、あなたは本当に素晴らしい女性だ。
八徳で言えば正義や誠実がピッタリだろう。
おっと、八徳を引き合いに出すなんて、さっそくドーンに影響されてしまったのかな。

「僕、泣いてなんかいません。初めて陽を見たので眩しすぎただけですから」

「あらそうだったのね。それならカーテンを引きましょう」

 そういってドーンは立ち上がった。テーブルの向かい側にはシェリーがいるのみである。
僕にとって初めての友人、そして初めて憧れた女性だ。

「あの・・・名前・・・やっぱりないと困るんでしょうか?」

「そうね、あなたが名前を呼ばれたくないならなくても困らないかもしれない。でも親しい友人なら名前で呼び合いたいと思うものじゃないかしら?」

「そういうものなのですね。それじゃあ僕は・・その・・・あなたのことを・・・・」

「ええ、シェリーって呼んでいいのよ?」

 その言葉を聞いた僕は、すごい速度で耳の先まで熱くなるのを感じていた。


「あらあら、二人ともいい笑顔ね。すっかり打ち解けたみたいじゃない」

「ねえドーン、彼に名前を付けてくれないかしら。このままじゃどうにも不便でしょう?」

「たしかに友人には名前が必要ね。うーん、彼にふさわしい名前・・・・友人となった今日この日、初めて陽を見て涙を流した。ということは『涙のサン』なんてどうかしら?」

「ドーン、すばらしいわ。サン、なんていい響きなのかしら。それに涙と言えば献身の徳ね」

「サン・・・献身・・・どちらも僕にはもったいないくらいだ。ありがとう、シェリー、それにドーン」

「あら?名前を付けたのは私なのになんだかおまけ扱いね。早くも献身の徳が働きだしたのかしら?」

「まあドーンったら、冷やかしはいけないわよ?」

 そう言いながらもシェリーの顔は紅潮しているように見える。そしてそれはもちろん僕も同じことだったのだが。

 こうして、二人の友人と自分の名前を手に入れた僕は、今まで生きていた中で最高の一日に感謝するのだった。

~~~~~~

 これは、なんの偶然かわからないがブリテインの地下下水道から飛び出した僕が、ドーンの隠れ家に迷い込んで初めてあの二人に出会ったときの出来事を記したものだ。

 普通の家だったならあっというまに追い出されていただろうに、まさか迷い込んだ先に人間の言葉を話すネズミがいたなんて驚きだった。
それに、僕の他にも人間の言葉を理解できるネズミがいたことも。

 きっとこの出会いは運命だったのだ。
だからこそ今までもこれからも僕は初めての友人であるシェリーとドーンに尽くしていこう。

 かといって小さな僕に何かができるわけでもなし。
ささやかながら、三人目の友人であるオルスとともに二人の安息の場になりたいと思う。

 できることなら永遠に。

Fin.


*************

あとがき

これは、かつてブリタニアの女王だったドーンとその親友であるネズミのシェリーに出会った一匹のネズミの物語です。
まだ女王になる前、ベイン軍との戦いが始まったばかり位の時期を想定しています。

みなさまご存知の通り女王となったドーンは市民、冒険者を率いてベイン軍と戦い、そして命を落とします。
しかしこの物語の中ではまだそこまでの時間が経っていません。
そのため未来がわかるわけもなく、ネズミのサンはシェリーたちとずっと一緒にいたい、いようと誓っています。

なので結末を知っているあたしたちにとってはちょっと悲しい物語かもしれません。
でももしかしたらどこかの破片世界では、ドーン女王が生きていてベイン軍を倒した結末があったかもしれませんね。
いいえ、そうだったらいいなぁと願いを込めながら書きました。

本当はもう少し先まで書いていたんですけど、どうしてもハッピーな if にならなくて乱戦となる前の辺りで終わりとしました。
もしもドーンが生きて戦いを終えることができたならなぁと悔しさでいっぱいだった当時を忘れることができないみたい。

ということで、飛鳥文学賞という素晴らしい企画に出会い、今作を寄稿させていただきました。
このような機会をくださった飛鳥ヴェスパー首長さま、ご協力者のみなさま、そして図書カフェのラトゥールさまに深く感謝申し上げます。

(飛鳥) だってほら?文化人だし!

今日はちょっとやる気が出たので一気に頑張ったー
そしたらちょっと頑張りすぎたみたいで街売りの本だと足りなくなりまして。。。
知ってて良かったこちらのお店へガーゴイル本を買いに行きました。
いつ来てもステキな内外装に癒されますね~

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そしてなんで本が必要かというとですね・・・・・
こんな告知が出てるわけなんですねー
それでついね・・・・書いてみたくなっちゃうわけです。



テーマは自由らしいので好き勝手に書き進めたらちょっとだけ悲哀を含んだ物語になってしまいました。
小説内の登場人物は幸せなんだけど、読んでる人は悲しくなってくるような仕上がりになってると思惑通りって感じかなぁ。

書き終わったらもちろん投稿するわけでヴェスパーミニホールへ向かいました。
すると!なんとまぁ、おなじみの方々にバッタリと会ってしまってちょっときまずい。。。
しかも名前覚えられてるー@@

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すこしだけお話させていただいてからポストへ拙作を投函してきました。
そのままライブラリーカフェ別館へおじゃましましてすでに投稿され展示中の作品を読みふけってきました。
こちらの別館もステキなおうちでのんびりしすぎてしまったかもー
やっぱり屋根がきれいなんですよね。
あたしはほら・・・・豆腐の匠って言われたこともあるくらいですから@@

しかしみなさん上手です!
現在までに7作品の投稿があったみたいなんですけど、全部通して一気読みしてしまいました。
まあ賞とか狙ってるわけじゃないので出来が拙いのはまあいいんですけど、公開されて読んでもらうとなるとやっぱりドキドキなわけです。

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そういえば瑞穂にも文芸畑の方が幾人かいらっしゃるはずだし、思い切って参加してみたらいかがでしょうか。
文芸投稿は初期キャラでもできますしね!
もしかしたらイラストコンテストに続いてーなんてことがあるかもないかも。。。。
ちなみに賞を取っちゃう方がいたら転送等々はご相談に乗れますよー

なんて、捕らぬ狸のなんとやら、ですね。
ブリタニアに狸はいませんけども。。。

今回投稿した作品は文芸賞終了後にブログへアップしたいと思います。
もちろんライブラリーカフェにも収蔵される予定となってますのでカフェでゆったりくつろぎながらお読みいただくこともできるはず!
それでは今回はこの辺で。
またね。

(小説) Not Pirate Story - 海賊と呼ばれた男の回想 -

「なに!?オレ様が海賊帽をかぶってるわけが知りたいだって!?」

 酒場の中でひときわ異彩を放っている男が大声を出した。別に聞き耳を立てているわけじゃないけれど、あんな大声で話していれば店中、いや、ユーの町中にだって聞こえているかもしれない。周囲の男たちは大声の主の事を『海賊』と呼んでいるが、本人は何度も海賊じゃないと否定していた。しかしそのいでたちは誰がどう見ても海賊にしか見えない。

「まあ確かに、海賊でもねえのに海賊帽を被っているのはおかしいかもしれねえな」

 その通り、海賊帽をかぶり酒場で飲んだくれて、あんな大声を出す神父がいたらそれこそ驚きだ。その『海賊』は言葉を続けた。

「だがな?世の中には鹿や熊のはく製を頭にかぶっているやつだっているんだぜ?それに比べたら海賊帽なんてかわいいもんじゃねえか。おい、そう思わないか、そこのお嬢ちゃんよ?」

『海賊』の話に聞き耳を立てていた私に、まったく予想もしていなかった出来事が起こった。この『森の黒熊亭』の噂を聞いてたった一人で足を踏み入れた初めての晩に、誰かから話しかけられるなんて思っていなかったし、もちろん心の準備なんて出来ていない。私はすぐに返事をすることができず辺りを見回した。すると店主と思わしき男性が首を横へ振っている。その仕草は、まるで『また一人犠牲者が増えたか』と言わんばかりである。

「あの、私は……海賊帽も、熊や鹿の帽子もかっこいいしかわいいと思います。もちろんスカルキャップも」

「かー、優等生的な回答だねえ。つまらねえ、まったくもってつまらねえ。このままじゃ楽しい夜が明ける前に白けちまうぜ」

 『海賊』はそんなことを言いながら目の前のジョッキを煽ってから話を続けた。

「仕方ねえ、それじゃオレ様が一つ面白い話をしてやるとするか。どんな話かって?それは、オレ様が海賊帽を被ることになったわけってやつさ」

 私は、思わず止めてしまっていた息を大きく吸い直し、周囲の客と同じように、海賊、いやトレジャーハンターの話に耳を傾けた。


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 オレ様がまだ駆け出しの冒険者だったころの話だ。いつものように隠された財宝、まあ駆け出しなんでチンケな財宝さ、こいつを掘り出して罠を外し、鍵を開けて中身を鑑定するってことを日に何度も繰り返していた。

 ある晩、とある宝石屋へ宝石を売っぱらって今日の酒代には困らねえといい気分だったところにその男は現れたのさ。そいつは野郎のくせにオレ様のすぐ隣にピッタリと身を寄せてきやがった。

 その手の素養がないオレ様は思わず飛びのいちまったんだがよ?支えを失ったその男はその場で倒れこんじまった。不思議に思って覗き込んで見るとどうやら怪我をしているらしい。心優しいオレ様はもちろんその男を担ぎ上げてよ、ヒーラーのところへ連れて行ってやったのさ。

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 数時間たってからその男はようやく目を覚ました。むろん礼が欲しくて待っていたわけじゃねえ。まあその、なんだ?行きがかり上、安否は確認しておきたかっただけさ。

 ようやく口が開けるようになったその男、どうやらジェロームから逃げてきたらしい。ジェロームと言えば戦士の街だ。訓練が嫌になって逃げだしたのかと思っちまったが、それくらいで大怪我するはずもねえ。オレ様はなにか秘密がありそうだと感じ取り詳しく聞いてみることにしたのさ。するとそいつの口からは驚くべき話が飛び出してきやがった。それを聞いたオレ様は、こりゃとんでもねえことを知ることになっちまったと、正直言って震えが止まらなくなったんだ。

 なに?怖いのかって?そりゃ違うぜ。武者震いってやつに決まってんだろ。なんってったって、一生遊んで暮らせるほどの財宝が隠されているって話を聞いちまったんだからよ。そいつを掘り当てりゃ日々の酒代に頭を悩ますことも、我慢してばばあを抱くことともおさらばだ。

 なんでも、怪我をしていた男の家系にはとてつもねえ財宝の秘密が代々伝えられていて、それを知られたために狙われ続けているということだ。それじゃそいつをオレ様がいただくためにおめえさんを襲うかもしれねえよ?と言ったらな、その男が知っているのは、その宝に仕掛けられている封印を解除するための魔法の鍵についてだけなんだと。場所や鍵はまた別の家系に伝わっているはずだが、その詳細についてはわからねえってことだ。なるほど、そんな隠し方は聞いたことがねえ。とすると、こいつは本当にどでけえ財宝なんだろう。

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 興奮したオレ様はのどを潤すために、治療院の中にいることも忘れ持っていたラム酒を一口飲んだ。それを見たヒーラーのおっさんは怒り狂ってオレ様に食って掛かってきやがって……まあ当然のように表へ放り出されたわけだ。

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 もう大分時間の遅い深夜の事だ。いくら首都ブリテインと言えど人の気配はねえ。しかしオレ様の目は見逃さなかった。治療院の向かいにある宿屋の窓から漏れる光が、オレ様が放り出されると同時に消えたことをな。まだ駆け出しとは言え、その才能はピカイチだったオレ様は、その不自然さにくせえなにかを感じ取ったのさ。さすがと言うほかはねえだろう?なあ?

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 こうなったら仕方ねえ、このままねぐらへ引き上げても良かったが、面白いことが待ってるかもしれねえ。そう思って治療院の影で待つことにしたのさ。

 明け方も近くなってきた頃、宿屋からこそこそと出てくる人影が見えた。それは明らかにチェックアウトしてきた様子じゃねえ。オレ様はまるで罠を外す時のように慎重に身を隠し、そいつら、五人位だったかな、治療院に忍び寄る影を監視していた。

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 この小さな治療院には裏口なんぞねえ。押し込む気なら正面から入ってヒーラーと一戦まみえることになるだろう。さて、こいつらはどう出るだろうとみていると、驚いたことに一人が屋根に上って火をつけやがった。いくら建物が魔法で保護されていると言ったって中身は別だ。数分もたてば熱くていられなくなるだろう。たまらず出てきたヒーラーとさっきの男が当然のように賊の襲撃を受ける。

 襲撃と無関係なヒーラーのおっさんは、あなたへかまっているひまなどない、なんて言いながらどこかへ立ち去ってしまった。なぜだかわからねえがガードも飛んでこねえ。

 このままじゃせっかく助けたあの男の身があぶねえ。オレ様は四人の賊に囲まれて万事休すと言ったところへ割って入ったのさ。こんなことは平凡なヤツには到底出来ねえ、俺様だからこそなせることだ。お前らもそう思うだろ?

 しかし、火をつけたラム酒のボトルを投げつけたり魔法で応戦したりを繰り返したものの多勢に無勢だ。徐々に追い詰められていくオレ様たちだった。すると男はオレ様に向かってトンデモねえことを言いやがった。ここまで一緒に戦わせておいて、いやオレ様が勝手に加勢したんだが、無関係なんだから逃げろと言いやがったのさ。

 オレ様は思わず言い返したね、別に助けてなんかねえ、めったに味わえねえ刺激があるからオレ様はここにいるんだ、ってな。すると男は呆れたように首を振りやがったのさ。ちょうどそこにいるサボり魔店主みたいにな!

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 まあそんなこんなで襲撃に抵抗してきたオレ様と男だったが、とうとう力尽きるときが来ちまった。背後から音も影もなく忍び寄ってきた賊に男が刺され、そのことに気を取られたオレ様は隙を突かれて棍棒でしこたま殴られ気を失っちまった。

 目覚めてみると頭にはでけえたんこぶが出来てやがって頭が痛くて仕方ねえ。それでもなんとか呻きながら転がってる男へ近寄って安否を確認すると、どうやらまだ息があるようだった。

 しかしこいつを刺した刃には毒が塗ってあったらしく顔が紫色で虫の息だ。大急ぎで解毒の呪文を唱えたが、なんということだ、秘薬袋を持っていかれてしまったらしく解毒が出来ねえときた。

 このままじゃ男が死んじまう、そう思って秘薬を買いに走ろうとしたその時、男は俺様のブーツに手をかけ行く手を阻みやがった。自分を助けるために走り出そうとした相手を引き留めるなんざ正気じゃねえ。

 振りほどいて秘薬を買いに行こうとするオレ様へ男はなにやら話しかけてくる。声がか細くて何言ってるかわからねえと、耳を近づけてよく聞いてみた。すると男は今にも消え入りそうな声でオレ様へ懇願しやがった。

 賊はすべての荷物を持って行ってしまった。その中には封印を解くカギが入っていたがそれは真っ赤な偽物で、本物はこの帽子の裏に縫い込まれた刺繍を解読することでわかるんだとよ。

 毒と出血でもう命が尽きる寸前の男はさらに言葉を続けた。その帽子を俺に託すから誰にも渡さず守ってくれと。もし財宝の場所がわかって掘り出すことができる日が来たら好きにしていいとも言った。

 そこまで言い残し、男は俺の腕の中で息を引き取ったのさ。オレ様は誓ったぜ、決してこの帽子を手放さねえことと、いつの日か財宝を必ず掘り当ててみせるとな。

 そしてブリテイン北の墓場に男を埋葬し、重い頭を抱えながらねぐらへ帰ったのさ。

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 海賊と呼ばれている男が話し終わったとき、酒場は静まり返っていた。まさかあの海賊帽にそんな逸話があっただなんて……

「おっと、オレ様としたことがしんみりさせちまったかな?というわけだ、オレ様が海賊帽を被っているが海賊じゃねえってわけがわかっただろ?」

 頷いてる者、涙を浮かべている者、酒場にいる者たちの反応は様々だった。私もあふれてくる想いを抑えきれず涙が浮かんできているのがわかる。その涙が頬を伝いそうになったとき、一人の女の子が『海賊』の背後へ音もなく忍び寄っていた。

 育ちの良さそうな、およそ酒場には似つかわしくない身なりをした女の子は、なんと驚くことに『その』海賊帽を両手で取り上げたのだ。

「おい小娘!なにしやがるんだ!返せ!戻せ!同じトレジャーハンターと言えどやっていいことと悪いことの区別もつかねえのか!」

 どうやらその女の子は『海賊』と同じトレジャーハントを生業にしているようだ。

「これがその海賊帽?どこにも特別な刺繍なんて入ってないじゃない。それにこれ、それほど古いものには見えないけど?」

 その女の子の手から海賊帽をひったくり取り戻すと『海賊』はしたり顔でこう言った。

「そりゃそうさ、だってよ、さっきの話は今即興で作った作り話だからな。HEHEHE」

 それを聞いた店主や酒場の客たちは、まるで話のお代を支払うかのように、酒瓶やチーズ、ベーコンなどを『海賊』へ投げつけはじめた。それを見た私の涙は、感傷から笑いのそれへと変わっていた。

 その騒ぎを尻目に、先ほど帽子を取り上げた女の子は、なぜか安堵の溜息を洩らしたように見えた。

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 ◇◇◇◇◇◇  ◇◇◇◇◇◇  ◇◇◇◇◇◇  ◇◇◇◇◇◇  ◇◇◇◇◇◇


あとがきに変えて。

いかがでしたでしょうか。
この作品は、Neonが飛鳥で活動するために遣わしたNixieがUO内の短編小説として書いたものです。
その際、一応ロケハンをして違和感の無いよう工夫しまして書いております。
実際の町並みと合わせて風景を思い浮かべていただけたら幸いです。

ちなみになぜ小説を書いたのかというのは、飛鳥にあるRP酒場、黒熊亭で行われたイベントに合わせ思い付きで書いてみたという単純なものです。
詳細につきましては下記リンク先、黒熊亭さまのイベントページをご覧ください。



当小説は1月1日までは黒熊亭でお読みいただけます。
その後、PC図書館である Library Cafeさまへ寄稿される予定となっております。

このような小説を書く機会を与えてくださった黒熊亭の皆様にお礼申し上げます。
併せて登場人物として書かせていただいた#RPGギルドのメンバー紹介ページのリンクを貼らせていただきます。

元冒険者で黒熊亭店主、曲者ぞろいのギルド#RPGを切り盛りするギルドマスター、グレンさま


not 『海賊』 偉大なるトレジャーハンター、キャプテン・ジョーダンさま


あまりにも幸運な少女であるトレジャーサルベージャー、シャノン・ダイアーさま


また、ギルド#RPGのみなさま、黒熊亭のお客様方、LibraryCafeのラトール様、そして拙作をお読みくださったすべてのみなさまにお礼と感謝を申し上げます。
このような機会に出会うことができたのはとても嬉しく素晴らしい体験でした。
本当にありがとうございました。

ブリタニアの民よ!エンタティナーであれ!

(小説) life of the fisherman - とある漁師テイマーの平凡な日常 -

「あー、波が高いぜ」

 船頭がそう言うと船が大きく揺れた。と同時に、がっちりと着込んでいるシーサーペントの鱗で仕立てた鎧が”なぜか”脱げ落ちてしまう。しかしそれを慌てもせずに着なおしてから、散乱したバックパックを開きなおして整理を始める。

 こんなことは船で旅をしていればごく当たり前の光景だ。高波が来れば、エレメンタルの魔法さえ跳ね返す鎧も脱げてしまうし、どんなにきれいに並べていてもバックパックは放り出され閉じてしまう。

 不思議な出来事と言えば確かにそうなのだけれど、この世界”ブリタニア”にやってきたことと比べれば些細なことだった。

「あー、ブリテインであっしがであった女の話をしましたっけ?貧弱な身体と貧相な装備で酒場の前に立って呆けていたんですぜ。なに、つまらん話でさ」

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 船頭は時折、聞いてもいないのに大きな声で独り言を言う。

「確かにつまらない話ね。だってこの世界ではありふれた、いや、ありふれていた光景だもの」

 私は返事を返しながらようやくバックパックを片付け終わった。

「ヒヒーン、ブルルルルン」

「どうしたの?お腹が空いたのかな?ちょっと機嫌が悪いわね」

 ともに旅をしている私の騎士(ナイト)は白馬に乗った王子様、ではなく黒い馬だ。つぶらな瞳と長いたてがみが水面からの反射光でキラキラと輝いている。どうやら不機嫌そうなその黒い馬、一般的には魔物の仲間として恐れられていたり嫌われていたりする種であるナイトメアと出会ったのはいつ頃のことか。もうはるか昔の事だ。

 初めてのじゃれあいは、ナイトメアからの挨拶からだったように記憶している。当時はまだ未熟だった私へ、目の覚めるようなフレイムストライクを撃ちこんでくれたっけ。しかし”彼”は、その時熱心に繰り返した私の呼びかけに応えてくれた。私はこの子にマキャビティと言う名をつけ、今はこうやって一緒に旅をしているのだ。

 かつては一緒に旅をしていた真っ白で知性的なドラゴン、ホワイト・ウィルムのグリドルボーンは厩舎で留守番をしている。もしかしたらそのことが寂しいのかもしれない。

「船頭さん、船を止めてちょうだい。休憩にするわ」

「アイアイサー」

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 船は進むのをやめ、穏やかな波に揺られながらしばしの休息を取る。私は持って来た生肉を一切れ取り分け、マキャビティへ放り投げた。彼はむさぼりつきながら満足げな表情を見せる。私もリンゴをかじりながら先ほど釣り上げたばかりの小魚を丸呑みした。ゴクリと飲み込んだ瞬間目の前がキラキラと輝いて、なんだか賢くなったように感じるのは気のせいだろうか。

「さてと、海賊探しはいったん中断して漁をしようかしらね。サボってばかりじゃいつまでも配達が進められないわ」

 いつの間にかうつってしまったのか、船頭のように独り言を言ってからエビやカニを捕るための罠籠を船の周りに仕掛ける。そしていつも手にしている愛用の釣竿を振って糸を垂れた。

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 どのくらいこうしていただろうか。辺りが暗くなり夜になってしまった。こう暗くなってしまっては釣り針に餌をつける手もおぼつかない。今日の釣果もまあまあだったし、ここらで切り上げることにしよう。

 さてどうしたものか。来た航路を引き返してジェロームへ戻ろうかしら。いやいや、そうするとまたバックパックが散乱してしまう。ついさっき整理を終えたばかりだし、今はあの時の荷物に加えて釣り上げた魚まで持っているのだ。

 私は何枚か持ち歩いている海図をぱらぱらとめくり一枚を取り出した。それは海水がはねて変色している個所が目立つ、古めかしい羊皮紙で出来た地図だ。私はもう一度確認してからその海図を船頭へ渡しいつものように命じる。

「ピンを立ててるところへ向かって。目指すはシーマーケットよ」

 桟橋を並べただけの簡素な町。いや町とは言えない規模の浮港だが、船を塗りなおすにはそこへ行かなければならない。

「大分塗装が剥げてきちゃったしね。今度は何色で塗ろうかしら。それに、にんにくもそろそろ交換時ね」

 数えきれないほどの海賊を捕らえて得た報酬として手に入れたこの船には、魔除けとしてにんにくがぶら下げてある。なんの魔除けかはわからないし効果も怪しいものだが、まあ雰囲気づくりには一役買っているのだろう。

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 それほど長くない航海を経て何事もなくシーマケットへついた私は、船大工へ整備を頼んでから真っ先に魚商人のもとへ向かった。随分前に依頼されたまま放っておいた、ムーングロウからシーマーケットへの配達を終わらせるためだ。

「遅くなったけど依頼の品届けたわよ。確認してちょうだい」

「おお、ごくろうさん。じゃあ今回の報酬だ、受け取れ」

「ええ?また餌なの?たまにはもっといいものちょうだいよ。白い巻物とかあるでしょ?」

「はっはっは、いくら夜だからって寝言を言っちゃいけねえな。いい報酬が欲しけりゃもっと数をこなして頑張るこった。途中で投げ出したらダメだぜ?」

 ちょっとふざけたつもりが痛いところをつかれてしまった。頑張りが足りないのはわかっていたが、こうやってはっきり言われると気持ちが沈んでしまう。

「ちぇ、わかったわよ。やればいいんでしょ、やれば。行こうマキャビティ」

 マキャビティが隣で大きないななきをしてからついてくる。

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「よう船長、船の整備終わってるぜ。色はご希望通り黒くしといたから確認しとくれ。新品のにんにくはサービスだ」

「ありがとう。これで気分よく航海に出られるわ」

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 追加でチップを渡し、気分を良くして船へ乗り込んだ。新たな配達依頼はブリテインまでだったが、その前にムーングロウへ行って買い物をしよう。たまには宿屋へ泊って、真水で汗を流してからベッドに横になりたいしね。

「あなたもたまには干し草の上で眠りたいでしょう?というわけで船頭さん、次はムーングロウへ向かってね」

「アイアイサー」

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 船の整備が終わることには夜が明けており、朝日に照らされてキラキラと光る海面が眩しい。これだ、この景色を見るために私は船に乗り続けているのだ。マキャビティのたてがみをなでながら、私は朝日が昇っていく方角を見つめていた。

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 すると唐突に船頭が叫んだ。

「あー、バッカーニアズ・デンであっしがであった女の話をしましたっけ?その女、あっしを海賊にしようと近づいてきたんですぜ。なに、つまらん話でさ」

 本当につまらない話。そうね、例えるなら、毎日同じような日々が過ぎていくこのブリタニアでの生活と同じくらい、退屈でつまらない、そして最高の平凡な日常を表しているような、そんなつまらない話だわ。

「ヒヒーン」

 まるで同意するようにマキャビティがいなないたが、その声は大海原に消えていった。



◇◇◇  ◇◇◇  ◇◇◇  ◇◇◇  ◇◇◇  ◇◇◇  ◇◇◇  ◇◇◇ 



あとがき

これは短編、というかショートショートってくらいの短いお話ですね。
Neonの分身のひとり、テイマーであるJellicle (ジェリクル) の日常を切り抜いた平凡で珍しくもないお話です。
あれこれ考えていたら文章量の割に写真が多すぎました。。。
まあ絵本みたいなものだと思ってください><

作中は特別な冒険や戦いはなく、ペットと船頭、それにシーマーケットの魚商人に船大工が登場しています。
実際の彼らは流暢な言葉を離すことはありませんが、きっとこんな風なやり取りが行われているんじゃないかなっていつも想像してます。

かつてJellicleがよく連れていたのはWWやルンビでした。
その相棒としてメアの乗って一緒に狩りへ行ってたんですが、ペット訓練によってそれぞれが単独行動することになったんですね。
なのでちょっとだけメアが寂しがっているような描写を入れてみました。
でも実際には、厩舎にいる間はみんな一緒だから寂しがったりはしないかもしれないな、なんて思ってみたり。。

その厩舎の中ですが、そこにはもうすっかり出番の少なくなったペットがいたりしますよね。
でもたまに用もなく厩舎から出して餌をあげてまた戻したり、そんなことしてる方があたし以外にもいるんじゃないでしょうか。
だって、こんなに長く続いている世界ですから、きっと冒険譚だけではない様々な平凡物語があるんだろうなぁって思うんです。
そしてあたしはそんなブリタニアが大好きです。

※飛鳥のLibraryCafe様へ寄稿しているものへ加筆修正をしています。

プロフィール
2001年ごろのルネッサンス時代にウルティマオンラインをはじめました。 その後幾度かの休止を挟みつつ細々続けてきました。 メインシャードは瑞穂、フェルッカのヴェスパーに住んでいました。 基本的に戦闘は苦手です。。
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